ぱらぱらめくる | あなたの酸素ボンベになりたい

ぱらぱらめくる




「キヨシローが死ぬなんて、ひとつの時代が終わった気がするよな」


とを居酒屋でぬかすにわかキヨシローファンみたくはなりたくありません。



私が初めてマイケルと出会ったのは遊園地のアトラクションでした。



巨大なスクリーンを前に、黒いセロファンみたいなのを張ったまぬけなメガネをかけると、マイケルがスクリーンから飛び出し、踊り、歌う。どうして、人間がつつーぅと横にすべることができるのか。あの声はなんなのか。


当時小学生だった私は、一瞬にして恋に落ちました。


それを見てからはほかのアトラクションは目に入らず、ただぼーっとしていたのを覚えています。

私が「興奮する」ということを知ったのはその時じゃないか。



それ以来、こんなとこにいるはずもないのにと思いながら、向かいのホームや新聞の隅まで探すぐらい彼のことばかり考えていました。そんな日々が、クールダウンしながら半年ぐらい続いたでしょうか。


小学生というのは忙しいもので、熱狂的ファンになるわけでもなく、CDを買うわけでもなく、ライブに行くわけでもなく、「それはそれ」として、今に至っています。


でも、折にふれ、思い出します。足もとの地面からぐわっとひっくりかえされたような、「わたし地球人です!」と叫びたくなるような瞬間。


ほぼ世界中の人の記憶の辞書の中に、「マイケル・ジャクソン」という項目があって、みなさまそれぞれに書き込んでらっしゃると思います。それを今、ぱらぱらとめくっている。


私の場合はアトラクションで、3Dで踊る彼でした。

ある人の辞書ではネバーランドから手をふる変態かもしれません。

ある人の辞書では、歌って踊るはなもげらかもしれません。

ある人は、マイケルオンリーの辞書を別個に持っているかもしれません。


何聞いてるのと聞けば「スリラー」と返ってくる友人もいました。今日、心配になって電話しましたが、出てくれません。心配です。


書き始めたときには、こんな内容になるとは想像もしていませんでしたが、



世界中の人と共通する記憶の辞書の項目、しかも人物、ってそんなにいないのではなかろうか。



ということが言いたかっただけです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・



ちなみに、書いたあとにネットで知ったけどマイケルの3Dを四国のレオマワールドで見たと思いこんでましたが、ディズニーランドだったみたいです。なぜレオマワールドがでてきたのかわかりません。今もあるんでしょうか。最初に読んで、「え?違うやろ」と思ったかた、失礼しました。